飲みニケーションが上手く機能しなくなったワケ

社内の同僚、上司と部下などの間で
お酒を飲みつつお互いの理解を深めたり、仕事の悩みを相談したりする「飲みニケーション」が上手く機能しなくなっているという話を耳にする。
極端な例では、若手の部下を飲みに誘った際「残業代出ますか?」と言われた、というケースなどもあるそうだ。
なぜこういったことが起きているか、考えてみた。

  • 情報取得経路の多様化による、ノウハウの価値低下
過去、仕事のノウハウやコツを教えてもらうという意味において、先輩や上司からのアドバイスは一定の意味を持っていたはずだ。飲み会の場でも、仕事の延長でそうした情報伝達が行なわれたケースもあっただろう。
しかし検索エンジンSNSで色々な情報が得られる今、一個人の経験した範囲のノウハウがどれだけ意味があるかといえば甚だ疑問である。
ともすれば説教との線引きが難しい「貴重なアドバイス」を聞く意味も薄れてきているのだろう。

  • 趣味嗜好の多様化
昔はアフター5(死語?)の活動と言えば、飲み、カラオケ、麻雀など特定の娯楽に限られていたように思う。
(もちろん、ニッチな趣味の活動をしていたり勉強に励んでいた人などもいると思うが)

また、健康志向の高まりからジムに通ったりランニングをしたりする人もいれば、オンラインゲームに興じる人などもいる。
上記はほんの一例だが、選択肢が増えているのは明らかであり、「同僚と飲みに行く」ということは相対的に価値が下がっているのではないかと推察される。

  • 可処分所得の減少

サラリーマンの年収は年々減少し、平成9年のピーク時より50万円も少なくなっている。


単純にお金がないので飲みに行くモチベーションが湧かないという可能性がある。